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氷の戦乙女は人たらし公爵に溺愛される〜甘く淫らに溶かされて〜
第4章 フェガリ
「やぁ、皆。お疲れ様。カミリア、僕達はそろそろ任務に戻ろう。報告は彼らに任せればいい」
 ラウルはカミリアの後ろにいる騎士達を見ながら言う。ダメ元で訓練所へ行かせてもらえないか頼み込むつもりだったが、この様子だと無駄だろう。
「分かりました。では皆、騎士団を頼むよ」
「もうお別れですか……。ラウル団長も、ケリー副団長もお気をつけて」
「あぁ、ありがとう。はやくラート達に報告して、安心させてやってくれ」
 カミリア達は騎士達が城門をくぐるのを見ると、少し離れたところに停めた馬車に乗った。ふたりが座ると、馬車が動き出す。

「ラウル、今日はありがとう。おかげでいい気分転換になったよ」
「あぁ、うん……」
 てっきり甘い言葉のひとつやふたつを添えた言葉が返ってくるかと思ったが、返ってきたのは生返事。不審に思いラウルを見ると、頬がうっすら赤く、息が荒い。

「ラウル? どうしたの?」
 言い終わるやいなや、ラウルはカミリアに寄りかかる。カミリアは驚きのあまり、小さな悲鳴を上げた。寄りかかってきたことに驚いたのではない。ラウルの身体が異常に熱い。自分とラウルの額に同時に触れると、彼のほうが何倍も熱く感じた。

「酷い熱……。せめて薬を飲ませなきゃ!」
 まだ馬車が走っているというのに、カミリアはドアを開け、身を乗り出した。大してスピードは出ていなかったが、落ちたら怪我をするだろう。
「すいませーん! ラウルの具合がよくないんです!」
 声を張り上げるが、馬の足音にかき消されているのか、馬車は停まる気配を見せない。カミリアは大きく息を吸い、再び声を張り上げる。

「すいませーん!!! 止まって!!!」
 精一杯声を張り上げると、馬車は徐々にスピードを落としていった。停車すると御者が降りて来て、カミリアを見るなり目を丸くする。
「ソ、ソニア様!? その格好は、いったい……」
「そんなことより、ラウルが熱を出してしまったんです。薬屋に寄ってくれませんか?」
「ラウル様が!?」
 御者が中を覗き込もうとするので、彼に見えやすいように横にずれる。カミリアも振り返ると、ラウルはぐったりと座席に横たわっていた。
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