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応報
第1章

「この嘘つき女が!」

薄暗い体育倉庫の中。男の怒鳴り声は、物凄い衝撃と共に私にぶつけられた。
直後頬に走り抜けた痛み。…は?なに?え?ぶたれたの?私。

今まで他人はおろか、パパにもママにもぶたれたことなんかない。蝶よ花よと愛されて、大切に育てられて来たんだから。
それを文字通り打ち破った目の前の男を睨みつけ、叫んだ。


「…っにすんのよ!!」
「ナニスンノヨ、じゃねぇよクソ女!」
「ッ!」

男は今度は反対側の頬を打った。しかも今度は、拳。固く握られたそれで思いっきりやられたせいで鼻からは血が吹き出し、バランスを崩した私は硬いコンクリの床に倒れ込んだ。

…は?なに?なんなの?意味わかんない。

私は、誰もが認めるこの学校の『女王様』岡谷妃咲。
成績優秀、容姿端麗。まさに才色兼備を絵に描いた存在。

多方面からの人望だって厚い。現に今だって、男子バスケ部のエース君から『話があるから着いてきて』って請われたから、わざわざ放課後の体育倉庫になんか来てあげたんじゃない。

『誰かに見られたら恥ずかしいから』倉庫の引戸が開けられて、促されて足踏み入れた直後──背中押されて。
振り向いた先には…外から戸を閉めようとしてるエース君。
完全に閉じられる間際、その口は『ごめんね』と動いた。

─────────

「あいつ、先週万引きしてんの。俺らソレ見ちゃってさ」

──で、今この現状。
弱みを握られたエース君は、万引きを黙殺してもらう代わりに私をココにおびき出せ、と命令されたらしい。
…バカじゃないの?ジクジク痛む鼻を押さえながら、私は声の主を睨みつけ──そこで初めて怯んだ。

「…?!あんた、たち…!」

もう、薄暗さに目も慣れていて。声の主…『たち』の姿がハッキリと見えた。見覚えのある顔と、頭上から降ってくる冷めた声が…みっつ。

「てめぇのせいでこっちは散々な目にあってんだよ」
「そーそー。お前の言ってたコト、全部嘘じゃん」
「このおとしまえ、キッチリつけてもらうからな。妃咲」

『あの日』の後。退学になった三馬鹿だ。
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