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応報
第1章
私が生まれて初めて、自分から好きになった『彼』。
その『彼』が好きになった女を、私はこの三馬鹿を使って文字通りめちゃくちゃにしてやった。
女は今でも入院してるらしい。『らしい』ってのは、じきに退学しちゃったから。生徒会長としてお見舞いに行こうとしてた矢先だったんだけどね。
噂じゃ女はショックで記憶を失くし、日がな一日ベッドの上でぼーっとして過ごしているらしい。
性器への損傷が酷く、将来子供は望めないとか?…そんなもん、知ったこっちゃない。生きてんだから良いでしょ。
女をめちゃくちゃにしていく様を動画に撮り、送り付けてやった『彼』も、学校に来なくなってしまった。
手に入らないなら、壊してやる。
それを完遂できた私は、満足だった。
三馬鹿はそれぞれイイトコロのお坊ちゃんだから、親が女の親にお金を積み無理やり示談にさせたらしい。
だから退学になった程度で済んだはず。良かったじゃない。恨まれる筋合いないんだけど?
そこまで言った…正確には、言おうとしたら、お腹に蹴りを入れられた。…何これ、息ができない!!体を丸め咳込む私を、三人はぐるりと取り囲み…蹴り続けた。
「てめぇのそーゆー所がムカつくんだよ」
「親には殴られっし編入試験はダリィし、ありえねーんだけど」
「お前の カ レ シ の村上くん、お前なんか知らねえってよ?」
…!三馬鹿への抑止力になっていた嘘がバレた。
素行の悪さと、喧嘩の負け知らずで有名な、他校の男子。この三馬鹿とは格が違うし、関わることなんてないだろうから、バレっこないと思ってたのに。
「どーよ?」
「あー、ちょっち暗いけど、まイイ感じかな」
「っ!ちょっ…、ゃだ…っ」
引きずり起こされた私は床に座らされ、一人に羽交い締めにされた。正面には、スマホを向けしゃがみ込んだ一人。そして最後の一人は…私の着てる制服の前留めを左右に思いっきり引きちぎった。
「──!!」
容易に想像できるこの先。反射的に足をバタつかせた私は、またもや頬に拳を喰らった。
頭の中がクラクラする。キーンと耳鳴りがする。
それでも、男のその下卑た声は、よく聞こえた。
「さーて。○学院現役生徒会長サマ生レイプ、はっじめるよー」