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甘い復讐
第2章 序章 -サラ-
ここは、吸血鬼の村。


アルバートの領地の人間は滅多に訪れない深い森の中にあり、川沿いに幾つかの家が立ち並んでいる。



その昔、吸血鬼は、この世の頂点に君臨していた。

吸血鬼は、男も女も強く美しい。
身体の再生能力が高く、殆ど不死身と言っても良かった。
そのため、好きなときに人間を狩り、好きなときに血をすすってきた。


人間達はそれに対抗すべく、教会が中心となって組織的な吸血鬼討伐に乗り出した。
そして、吸血鬼を次々と捕獲し殺していくことに成功した。

それが、約200年程前の出来事だ。



人間に狩られ、数を大きく減らした吸血鬼は、獣の血を糧とするようになり(とても不味いし、腹が満たされても、心は満たされることは決して無いが、生きていくことはできる)、人間から離れてひっそりと暮らし、極力人間と関わらないような生活をしてきた。

しかし、一部のそれを良しとしない吸血鬼のみが、人の血を吸い続けていたのだった。


吸血鬼の村に住むサラは、見た目は18歳ほどだったが、
この世に生まれてから既に100年以上経過しており、吸血鬼としての力も経験も十分だった。

吸血鬼は、14~16歳ぐらいを越えると、自らの意思で見た目の姿を止められるのだ。
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