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あおい風 あかい風
第2章 キス
朝 目が醒めると 何でもないことのような気がした。
雨や雷のなせるハプニングなのだと思うことにした。
ヤツは スターなのだ。きっと あんなことは なんでもないのだ。きっと よくあることなのだ。
すぐに忘れる。わたしも すぐに忘れる。
ファーストキスだったのに。
放課後が ちょっとこわい。 でも 平気な顔をして 練習しよう。そうじゃないと 大輝になめられる。
まけないから。
自分は強くて 男なんてなんとも思っていないのだと何度も言い聞かせたが 実際に大輝を見かけると 簡単に心が折れた。 どきどきして 顔をあげることさえできない。
ときおり 大輝を盗み見ると 彼は いつもとまったくかわらなかった。不機嫌そうに口を引き結び 何度もダッシュを繰り返してい る。
それは おもいもかけず つらいことだった。
あの腕で 抱きよせたのに。
あの唇が キスしてくれたのに。
もっと碧をみて 碧の様子をさぐってほしい。どんなふうに感じているのか 思い巡らせてほしい。
そうじゃあなきゃ あれが夢であってほしい。
かるくストレッチをしていると 後ろから
「片付けるの 手伝って」
と 大輝に声をかけられ 飛び上がった。あまりに心が重くのしかかってくるので 周りに注意をはらっていなかった。
「そっち もって」
高飛び用のバーやスタンドを 片付けるのを手伝わされた。断る言葉が 出てこなかった。
広い肩の下、肩甲骨あたりの筋肉が 歩くたび動く。ぴったりとしたウ エアの下には 引き締まったお尻がある。胸の厚みは 昨日知った。かたくて たくましかった。
雨や雷のなせるハプニングなのだと思うことにした。
ヤツは スターなのだ。きっと あんなことは なんでもないのだ。きっと よくあることなのだ。
すぐに忘れる。わたしも すぐに忘れる。
ファーストキスだったのに。
放課後が ちょっとこわい。 でも 平気な顔をして 練習しよう。そうじゃないと 大輝になめられる。
まけないから。
自分は強くて 男なんてなんとも思っていないのだと何度も言い聞かせたが 実際に大輝を見かけると 簡単に心が折れた。 どきどきして 顔をあげることさえできない。
ときおり 大輝を盗み見ると 彼は いつもとまったくかわらなかった。不機嫌そうに口を引き結び 何度もダッシュを繰り返してい る。
それは おもいもかけず つらいことだった。
あの腕で 抱きよせたのに。
あの唇が キスしてくれたのに。
もっと碧をみて 碧の様子をさぐってほしい。どんなふうに感じているのか 思い巡らせてほしい。
そうじゃあなきゃ あれが夢であってほしい。
かるくストレッチをしていると 後ろから
「片付けるの 手伝って」
と 大輝に声をかけられ 飛び上がった。あまりに心が重くのしかかってくるので 周りに注意をはらっていなかった。
「そっち もって」
高飛び用のバーやスタンドを 片付けるのを手伝わされた。断る言葉が 出てこなかった。
広い肩の下、肩甲骨あたりの筋肉が 歩くたび動く。ぴったりとしたウ エアの下には 引き締まったお尻がある。胸の厚みは 昨日知った。かたくて たくましかった。