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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

 宵は頬杖をつき、アイスティーを一口飲んだ。

「お父さんはどんな人?」
「確か母親より七つ下だったよ。ひょろっとしてて、気が弱くて、穏やかで料理が上手かったかも」
「へー、姉さん女房なんだ」

 晃は驚いたような顔をした。一体どんな想像をしていたんだろうと思う。

「母親が全然家庭的じゃなかったからなあ。家のことはみんな親父がやってた」
「……あれ、そんなとこまで君と一緒」
「俺よりヤバイって、多分。母親の手料理とか食ったことマジで一回もないし。土木系の仕事してたから、現場によって遠かったし、朝早くて夜遅いことが多かったから、まあしょうがねーんかな、とも思うけどな」
「え、それお母さんの話? お父さんじゃなく? 土方系の仕事してたの? 事務とかじゃなく?」

 今度こそ晃は目を見開き、驚愕していた。
 宵に似た美しい女性があえて肉体労働を選ぶというのがピンとこないのだろう。それも、肉体労働の中でもかなりハードな部類に入る、土方の仕事とは。

「うん、母親。親父は同じ職場の事務兼人事系の部署だったっぽくて、出逢いもそこだったらしいけど、全然肉体労働じゃなかったよ。だから家にいる時間も親父の方が長いし、まあ家事全般親父がしてた感じ」
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