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Memory of Night 2
第11章 懐かしい記憶

 納得と言えば納得だが、晃の想像する一般的な家庭象とは離れていた。

「イメージと違う?」

 宵が問いかけると、晃は再び笑う。

「イメージがあまり無かったからなあ。宵のお母さんは、志穂さんて感じ」
「そりゃ、何度も会ってるしな」

 コンコン、と再びノックが聞こえた。晃がドアを開けると、晃の母親がクッキーやらおせんべいを持って入ってきた。透明なポットの中には追加のアイスティーも見える。

「ありがとうございます」
「たくさん食べてね」

 二人のコップになみなみアイスティーを注ぎ、部屋を去り際思いついたように言う。

「晃、夕飯食べていくでしょう?」
「あー、じゃあ食べてこうかな」
「カレーね、カレー」

 にこにこと手を振り、今度こそ部屋を去っていく。

「ごめんね、勝手に食べてくって言っちゃったけど」
「なんで謝んの? カレー旨そう」

 宵は一度伸びをした。
 両親の話をしていると、思い出すエピソードは多い。その感覚もずいぶんと久しぶりなもので、姫橋祭に家族で行った時の夢を見てからかもしれない、と思う。

「小さい頃は女って、強いもんだと思ってた。家族で一番強いの母親だったし、よく怒らせて親父の後ろ隠れに行ったけど、結局親父も弱いから、二人して怒られてばっか」
「へえ、確かに強そうなお母さんだね」
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