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Memory of Night 2
第13章 投影

 七時半ちょうどに、段幕が上がった。同時にフロアは暗くなり、賑やかだった客たちの声がピタリと止む。
 ステージには、一本のポールと、ダンス用の衣装に身を包んだ春加の姿があった。
 首に巻かれたチョーカー、胸元のみを覆うレースのトップス、かなりショート丈のパンツ、膝上までのブーツ。そして腰から下には、半透明の布を緩く巻いている。
 露出していることには変わりないのだが、金曜日の練習着とは違い、衣装は全て白で統一されていた。メイクといい衣装といい、春加のイメージとは遠い。
 宵はフロアの後ろの方でステージを眺めながら、違和感を覚えずにはいられなかった。
 春加は深々と頭を下げ、華やかな笑顔を見せる。
 やがて顔を上げ、挨拶をする。

「ーー今日はお集まりいただきありがとうございます。どうぞ楽しんでいってくださいませ」

 シンプルに、それだけ。指をぱちんと鳴らすとステージがスポットライトに照らされ、同時に音楽が流れ始めた。
 スタッフに聞いた話によると、三曲踊るらしい。ポールにぶら下がりながらの演技は絶対的に普通のダンスより筋力を使うはず。それを三曲はなかなかすごいのではないかと、ド素人の宵から見ても、驚きの曲数だった。
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