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Memory of Night 2
第14章 夏休みに向けて

 最初明は遠慮して受け取らなかったが、最終的に晃の、

「俺、毎年家族で頻繁に行ってるから、温泉。それより明ちゃんの浴衣姿が見たいな」
「え、浴衣? まあ、家族でしょっちゅう行ってるなら、今回は有り難く頂戴するね。ありがとう」

 そんなやり取りで幕を閉じた。律儀な明は温泉地での土産と、バックの雪山メインの写真に小さく自分が写りこんでいる一枚を渡してくれたのだった。ちなみに彼女は母親と行ったらしく、母親の姿もばっちり写っていた。それを見て、「美女二人の和装はいいねえ」などという感想を爽やかな笑顔で伝えていたのだから、呆れる。一歩間違うとセクハラに聞こえかねない。
 コスプレ鬼ごっこの景品の行く末を大山も知らなかったようで、隣でそういうことか、と納得していた。

「アッキーってちょっと性格掴めないよね? どんな人?」
「確かに、クラスもずっと四組だろ。あんま関わりないもんな。そういえば宵、最近仲良いよな」

 仲が良いというより付き合っているのだが、それを勘づかれたことはまだ無かった。というのも、晃の周りにはいつも複数の女子がいるからだ。

「まあ……」
「どんなやつ?」

 明に続いて、大山も聞いてくる。

「どんなって……」
「ずばり」
「一言で言うなら……」

 息を揃えて二人に聞かれ、宵の脳裏に浮かぶ単語は一つしかない。
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