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Memory of Night 2
第3章 甘い遊戯

 寝室として使っている隣の部屋にはちょうど西日がさしていた。まだ六時前だ、いつもよりずっと早い時間帯。オレンジ色に染まったベッドに腰を下ろし、晃は宵に服を全て脱ぐよう命じた。
 有無を言わせない口調に、宵がたじろぐ。

「…………やだ。まだ明るいし」
「だからだろ? いつも夜だと電気つけたままさせてくれないからね、君は」
「おまえがじろじろ見てくるのが嫌なんだよ」
「嫌?」

 晃はわざと大げさに首をかしげてみせた。

「『興奮する』、の間違いだろ?」

 晃はベッドから立ち上がり、宵の前に立った。それだけで威圧感がある。

「……悪いけど、俺だって怒ってるんだよ。君が嘘をついていかがわしいバーでバイトしてたことも、女性に送り迎えされてたことも、明ちゃんがあのタイミングで話をしなかったら、ずっと知らないままだったかもしれない。むかつかない方がおかしいだろ?」
「……ごめん」

 そこに関しては何も反論できない。ただ謝るほかなかった。
 状況だけ聞けば、疑われたって仕方がないことをしているのだ。

「客に何かされてない?」
「……なんも」
「脱いで。見てやるよ」

 そんなふうに切り返されたら拒否できない。
 宵はティーシャツを脱ぎ捨てた。
 ズボンも同じように脱いで部屋の隅に放り、黒いボクサーのみ身につけている格好になる。
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