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Memory of Night 2
第19章 夏の思い出

 うだうだ言う明にだんだん面倒になって、宵は明の腕を引き歩き出した。

「ちょっと……っ」
「すぐじゃないと意味ねーんだよ!」
「はあっ?」

 裏庭に続く戸口まで明を連れていき、彼女の腕を掴んでいた手を離した。

「早く行け」
「あんたは戻らないの?」
「ちょっと星見てから行くよ」

 本当は少しの時間戻る気は無かった。どうにか晃も連れ出し、明と大山を二人にしたかった。
 スマホが無いことが悔やまれる。
 明は迷うような素振りをしていたが、宵をちらちらと振り向きながら、階段をのぼっていった。観念して、部屋に向かったのだろう。
 明を見送り、一人で再び裏庭へと戻る。

「ーー嫉妬でもさせるつもり?」

 背後から声をかけられ、宵は飛び上がりそうになった。
 振り向くと、そこにいたのは晃だ。

「ビビるって。いつからそこに居たんだよ」
「んー、君が明ちゃんと星の話してたくらい」
「それもう最初からじゃん。盗み聞きとかサイテーだな」
「ごめんて。いろんな意味で気になっちゃってさ」

 晃は苦笑する。
 だが、晃が外に居てくれたなら好都合だった。

「大山くんに嫉妬でもさせる気だった?」
「…………」

 しかも宵の意図もバレている。
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