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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

 衝動のまま口付けてしまいそうになるが、直前で思いとどまった。いくら恋人とはいえ眠っている間に勝手にするのは躊躇われた。
 宵は寝返りをうち、晃とは逆を向いた。目を閉じて、高ぶった気持ちを落ち着けようとする。
 だがその瞬間、今度は晃の逆側の腕が宵の髪に触れた。そのまま顔を寄せてきた。
 起きたのかと思ったが、違うらしい。変わらず寝息が今度は背や肩にかかる。

「あ……」

 首もとに生温かい息がかかり、宵は思わず声を漏らす。首はやめてほしかった。ぞくぞくした感触に、肌が粟立つ。
 下腹部にまた熱が溜まった気がして、宵はきつく目を閉じ唇を噛んだ。

(なんだ? この感じ)

 あそこがじんじんする。腹にまわされた晃の手で、いっそ慰めてほしいとさえ思う。

「晃……?」

 宵はそっと名前を呼んだが、変わらない寝息が聴こえてくるだけ。腕を強引にほどき、ベッドを離れることもできるが、せっかくよく寝ている晃を起こしてしまいそうで躊躇してしまう。

「んん……」

 また、首に息がかかる。変な気分になりそうだった。
 欲求に抗えず、宵は右手をそっと自分の股間に伸ばした。パジャマ用のハーフパンツの上から触れてみる。

「……っ」
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