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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

 その刺激にぞくりとした。
 夏用の薄い生地越しに緩く撫でる。

「んん……」

 気持ち良さに熱い吐息が漏れそうになり、慌てて布団に唇を押し付けた時だった。

「ーー宵?」

 名前を囁かれ、悲鳴をあげてしまいそうになる。宵は慌てて自分の股間から手を離した。

「寝付けないの? どこか体調でも悪い?」
「……なんでもない」

 晃の声は寝起きだからか語尾が掠れていた。甘いテノールが鼓膜を震わせ、ますます気分が高揚してしまう。

「なんか宵の体熱いね。汗ばんでる」

 お腹の辺りをまさぐられ、宵は思わず身をよじった。

「くすぐったい」

 油断すると喘ぎ混じりの声になりそうで、低く抗議する。

「ごめん」

 晃は素直に手の動きを止めた。
 振り向くと、晃の顔がすぐ間近にあった。唇と、ティーシャツの首もとから覗く鎖骨に視線が引き寄せられる。唇にキスをして、鎖骨に舌を這わせたいと思った。

「……宵?」

 名前を呼ばれてはっとした。どうして今日は、こんなにエロい欲求ばかり浮かぶんだろう。
 いつも晃と密着して寝ていてもこんな気分にはならない。
 たった三日しなかっただけで、なぜ欲求不満みたいになっているのか不思議だった。
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