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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

「ずいぶん丁寧にしてくれるんだね」

 晃のを咥えながら、灰色の瞳がちらりと晃の方を向く。
 宵も欲情しているのが伝わり、いっそもっと喉奥まで突き立ててたい欲求にかられたが。晃は堪えた。
 今日は宵に任せると決めたからだ。
 代わりに晃はわずかに上体を起こし、宵の頭に触れた。何度か撫で、漆黒の髪に指を通す。
 昔は長かったが、今は自分と同じくらいだった。さらさらと、すぐに指の間を抜けてしまう。中性的な雰囲気は弱くなったように思えるが、代わりに耳や顔の輪郭がよくわかるようになった。表情の一つ一つがよく見え、これはこれでエロいな、と晃は内心苦笑した。
 宵の腰が自然と揺れ始める。
 自分で触れず、晃にも愛撫をしてもらえないままなのだから、刺激がほしくてたまらないのだろう。
 そんな姿に晃も興奮した。
 宵は唇を離し、唾液と晃のから滲んだ我慢汁をそそりたつものになすりつけた。濡らして、自分の体内に挿入(い)れやすくするためだろう。
 履いているものを取り去り、晃の上にまたがろうとする宵に、晃が言う。

「自分の方も広げないときついんじゃない?」
「平気……っ」

 宵はむきになって首を振る。自分の方が我慢できないのか、晃の前で後ろをほぐすのが耐えられないのか、理由はどちらかだろう。
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