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Memory of Night 2
第20章 秘密のお薬

 宵の頬に片手を添え、にっこりと微笑みかける。
 涙や唾液で濡れた顔は、晃の嗜虐心を煽った。

(今日は優しくしようと思ってたんだけどな)

 心の内でそう漏らす。今日だけじゃない。本当はいつもだいたいそういう気持ちで始めるのに、宵が煽るからつい酷くしてしまうのだ。

「痛みはない?」

 こくり、と宵が頷く。
 晃は上体を起こして言った。

「上も脱いでよ」

 お互い、ティーシャツはまだ着たままだった。晃は宵の返答は待たず、たもとから両手を入れ素早く脱がしてしまう。

「あ、勝手に……っ」

 脇に放ると、宵が手を伸ばす。

「いいだろ? どうせ最後は全裸になるんだから。それとも着衣でエッチする方が宵は興奮するの?」
「しねーって。だっていつも……、俺ばっか。おまえも脱げよ」
「それ、命令?」
「は?」
「……いいんだよ、俺の裸が見たかったら宵が脱がせてくれても」

 晃はつい意地悪な口調になるのを止められない。
 宵の主張は、いつも自分ばかり裸にされて晃は服を着たままなのは不公平だと言いたいのだろう。伝わってはいたが、そこはあえて無視した。
 少しでも多く、宵から自分を求めるように仕向けたかったから。
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