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Memory of Night 2
第23章 墓参り

 明から電話がきた日の夜。晃が予備校から戻ってきたのは夜八時過ぎだった。

「え、親子丼作ってくれたの? 大丈夫? 天変地異起きない?」
「起きねーよ、嫌なら食うな」

 さすがに帰ってきてから夕飯を作ってもらうのは酷な気がするし、今日はバイトも無いので夕飯は宵が作った。
 親子丼と、味噌汁だけだが。

「嘘だって。宵の手料理は貴重だからね。ありがたくいただきます」

 二人でテーブルに並べ、両手を合わせる。

「うん、美味しい。そういえば、作ってたって言ってたもんね、志穂さんと暮らしてた時」
「……簡単なもんばっかだけどな」
「それでも、家での仕事が減るのは助かってたと思うよ」

 確かに作り始めの頃は、焦がしたり煮込む時間が短くて野菜が硬かったりでよく失敗もしていた。それでも志穂は嬉しそうに食べてくれたように思う。
 志穂との日々を思い返しながら、晃にも同じ提案をした。

「おまえも、予備校で大変なら夜は作るけど?」
「えっ?」 

 晃は驚いたように、目を見開いた。
 弱冠むかつく反応ではあるが、一緒に住むようになって夕飯作りを自ら買って出たことはないし、実際作って待っていたことなど片手で数えて指が余るくらいなので、それくらいの反応をされても仕方ないのだった。
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