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Memory of Night 2
第24章 姫橋祭

「宵、ただいまー」

 その日も晃が帰ってきたのは夜の八時過ぎだった。

「おかえり」
「って、ずっと玄関で待ってたの? そんなに寂しかった?」
「玄関の電気、付けといてやろうと思っただけだよ。何時に帰ってくるかわかんねーのにずっと玄関の前に立ってられたら怖いだろ」

 夏真っ只中だから日は長いが、それでも七時を過ぎれば暗くなる。八時ともなれば、完全に夜だ。
 宵が住むアパートの作りは、玄関を開けて廊下がある。向かって右にトイレ、隣に洗面所と浴室。トイレと浴室のスペース分なのでそこまで長くはないが、突き当たりにある部屋の明かりは玄関までは届かない。
 外から帰ってきて玄関が暗いのはなんとなく寂しい気がして、電気をつけに部屋から出てきたタイミングで晃が帰ってきたのだった。

「ありがとう。あ、せっかくならアレやって」
「……アレ?」
「ご飯にする? お風呂にする? それともわ、た……」
「やらねーよ! ……問答無用で先に飯な、腹減った」

 宵は晃を無視し、さっさと部屋に引き返した。
 今日は豚玉丼とナスの味噌汁を作った。なんだかんだ楽なので、乗せるものだけ替えてよく夕飯は丼にしてしまう。
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