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Memory of Night 2
第24章 姫橋祭

「先に食べててもいいよ」
「今くらいなら待ってるよ。おまえだって俺がバイトの日は待ってんじゃん」
「……俺は、宵と一緒にご飯食べたいもん」

 味噌汁をよそっていると、不意に頬に触れられくいっと左を向かされた。口付けられる。

「……味噌汁こぼすって。おまえにかけるぞ」
「えー、汚れちゃう」
「……最近、挨拶みたいなノリでキスしてくるよな」

 朝と眠る前は日課のようにしていたが、それ以外の時も、抱きしめてきたりキスしてくる回数が増えた気がする。

「いや?」
「そうじゃないけど……」

 宵は言葉に詰まる。上手く言えないが、最近晃の態度が少し変な気がした。
 予備校三昧で疲れているのか、セックスの頻度は減った。それは別にいい。
 そのくせ、キスや抱きしめてくる回数は増えたように思う。嫌なわけでは決してないのだが、甘えてくる様子がどこか不安げに映ることがあり、気になった。

「ーーおまえ、最近なんかウサギみてー」
「ぶふっ」

 温め直した夕飯を食べながら、宵は思ったままを口にしてみる。
 晃は麦茶を噴き出しそうになっていた。

「汚なっ」
「……ごめんごめん、そんな可愛い動物に喩えられたことなかったから」
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