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Memory of Night 2
第28章 独占欲

 あと一歩だった。刺激が減り、苦しさに喘ぐ。

「イカせ、て……」

 無意識のうちにねだっていた。
 声が聞こえてしまったらという心配はあるが、ギリギリの場所で何度も煽られ、限界だった。
 晃は笑った。

「よく言えました」

 再びあそこへの愛撫が激しくなる。

「ん、んん……っ」

 宵は自分の手の甲を強く口にあてがい、必死に声を押さえ込んだ。
 目を閉じて顔を伏せる。
 ふいに顎を捉えられ、上向かされた。

「宵、ちゃんと俺の顔見てて。イク時のエロい姿、見たい」
「……っ」

 宵は真っ赤になった。ただでさえ、浴室の中は明るくて何もかも丸見えの状態なのに。普段寝室でする時は、いつも小さい電気しかつけない。

「や……」
「ならイカせない」

 とっさに視線を逸らそうとした瞬間、顎をきつくつままれ、固定される。後ろには浴槽があり、体を挟まれ逃げられなかった。

「サド……!」
「今さらだろ」

 晃は宵を見つめたまま、あそこを握る手の動きを速めた。

「んん、んーっ」

 ひとたまりもなかった。

 一気に追い上げられ、欲望が弾ける。

「ーーんうーっ」

 無意識に自分の手の甲を噛んでいた。
 気付いた晃が宵の手を退け、再び唇で覆う。宵はすがるように、夢中で晃の唇に自分のを押し付けた。
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