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Memory of Night 2
第34章 衣装合わせ

 春加に尋ねられ、晃が頷く。
 衣装を着せるのと緊縛は晃がすることになっていた。晃の母親が和装好きで、何度も着付けを手伝ったことがあると言っていたが、本格的な撮影の場で通用するほど上手なのかは宵にもよくわからない。

(でも嫌なんだろーな)

 宵の体を他の人に触れさせることが。前までは晃の独占欲の強さに半ば呆れ気味だった宵だが、最近はその気持ちが理解できてしまうから、困る。
 春加の隣で、セーター姿のアメリアが笑った。今日も着物でなく洋装である。

「No problem! 心配、ないね! ダメナ時、私、Changeする! 失敗ヲオゾレ、ズ、challenge! 素晴バラシイ!」
「オゾレズ?」
「『恐れず』かな。惜しい」
「ああ……」

 アメリアは変わらずハイテンションだ。
 晃は別にチャレンジ精神から着付けを自分がすると申し出たわけではないだろうが、面倒なため誰も訂正しなかった。
 そうして衣装合わせが始まった。
 まずは三着の中からどの着物を選ぶかというところから。
 雪の化け物ということで、白がベースという点では同じだった。
 無地なもの、水色で薄く模様が描かれたもの、白い花が描かれたもの。
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