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Memory of Night 2
第35章 同室者

「キズモノなんて言い方やめてもらえます? というか寝たフリなんて、悪趣味ですよ」
「……フリじゃないよ。色っぽい吐息と水音が聞こえてきたら、起きちゃうって」

 両手をあげ軽く伸びをする亮を尻目に、宵は慌てて捲られた服を整えた。

「……すみません、起こしちゃって。もう俺部屋戻るんで」

 気まずさや恥ずかしさもあるのか、宵が慌てて部屋を出ようとする。

「あ、よ……」

 晃が名前を呼び引き止めようとすると、伸ばした手を今度はぱしっとはたかれる。

「もう、おまえホントに場所選ばなすぎなんだよっ」

 同室者がいるのに、宵からしたら信じられないのだろう。だけど晃はそこまで気にしていなかった。
 いつでもどこでも触れていたいし、キスだってたくさんしたい。亮も付き合っていることを知っているので、堂々と宵の恋人として振る舞えるのだ。
 撮影前じゃなければ、見えるところに痕を残して、自分のものだと見せつけてやりたかった。そんな強い願望すらあった。
 でも宵はそういうのを嫌がるし、撮影が終わるまではなんの印もつけられない。それがもどかしい。

「……部屋、替わろうか? 宵くんこっち来る?」

 亮の提案に晃は頷きかけたが、宵は慌てて首を振った。
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