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Memory of Night 2
第36章 洞穴

 小声で春加に尋ねるも、首を横に振るのみ。
 春加も宵と似たような感想らしい。洞穴のどこで撮ってもそんなに変わらないだろう、と。違いもよくわからないからこそ、アメリアに全部任せたのだろう。

「ま、いーや。終わりだろ、これで」
「うん」
「Thank you! 二人トモ、付キ合ッテクレテ」
「いーえ」
「お疲れ様でした」

 ようやく帰れる。そう思い、ほっとした瞬間だった。
 突然けたたましいアラームが鳴り響いた。何事かと、三人は硬直する。
 あちこちから聴こえるアラームはそれぞれのスマホから。
 宵はポケットにしまっていたスマホのバイブも同時に鳴っているのに気付き、慌てて手に持つ。
 よくよく聴けば、その警報には聞き覚えがあった。

「……地震?」

 ーー緊急地震速報。

『強い揺れに、ご注意ください』

 無機質な機械音声に、その場は異様な緊張感に包まれる。
 宵達はとっさにその場にしゃがみ、姿勢を低くした。なかなか揺れは来ない。
 三十秒ほどして、地面がわずかにぐらついた。そのままじっとして、やり過ごす。
 だが、同じ姿勢で身構えていても、揺れはその一度きりだった。おそらく震度1か2の微弱なものだろう。
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