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Memory of Night 2
第36章 洞穴

「OK! 宵、春加、来テ!」

 洞穴内に反響するほどの声量で名前を呼び、その場でジャンプでもしそうな勢いで、宵と春加に手招きするアメリア。
 そばに寄ると、スマホの画像を見せられた。

「これって……」
「ほう……」

 宵と春加は、同時に声をあげた。
 アメリアのスマホに映っていたのは、たった今撮られたものだろう。ただ、加工されていた。
 宵が居た場所には雪女のアバター。懐中電灯と月明かりでどうにか薄ぼんやりと見えているだけだった洞穴内も、明るさをかなり高めに設定したのか本物よりもかなりよく見えた。
 スマホを眺めたままの数分の間は、撮った画像を加工していたためだったようだ。

「ソコ、Best position!」
「……アメリア先生がそうおっしゃるなら」

 いい場所を見つけたらしい。
 春加は頷いた。
 ぶっちゃけ宵には加工した画像を見てもそこの場所の素晴らしさと言うのはよくわからなかった。
 グルグルと回りながらあちこちに立たされはしたものの、どこも同じような景色に見えるし、何がそんなに違うのかもわからない。

「そんな……他と違うか? そこ」
「知らん。あたしにはわかんないけど、なんかビジョンが見えたんだろ」
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