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Memory of Night 2
第7章 緊縛イベント

「それ、本気で言ってる? 俺は嫌だけどな。宵が俺以外に興奮したり、欲情したりするの」
「ん……っ」

 次の瞬間口付けられていた。
 反射的に晃の肩を押し、顔を背けて唇から逃げる。

「やめろって……っ」

 晃はわずかに体を離した。

「こっちは仕事中なんだよ。戻んねーと」

 強引な晃に腹が立った。仕事中にバイト先でキスなんて、どうかしてる。誰かに見つかりでもしたら。
 それに縛り役は交代したし、そのことを早く伝えに行かないと、と思う。
 宵は晃に背を向け奥の更衣室を開けた。ベストを着てフロアに戻るつもりだった。
 スタッフルームは電気をつけなかったが、更衣室はさすがに暗すぎる。明かりをつけると、背後から突然抱きすくめられた。

「晃っ」

 たしなめるように呼んだ名前。
 腰の辺りを手のひらでなぞられ、宵の体がぞくりと震える。
 晃は手早く更衣室のドアを閉め、鍵までかけてしまった。ガチャリと音が鳴り、嫌な予感がして宵は焦った。

「何して……んうっ」

 無理矢理振り向かされ、再びキスされる。
 更衣室は狭い。スタッフの着替えを入れておくクリアケースが重ねて並べられていて、それで半分以上スペースを取られている感じだ。

「やめ……っ」

 本気で抵抗したが、びくともしなかった。首を振ることもかなわないまま、壁に体を押し付けられる。
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