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Memory of Night 2
第48章 蜜月

「ーー最悪」
「……ごめんなさい」

 今、二人は居間にいた。不機嫌そうにソファーに座る宵の髪を、晃が丁寧に乾かしている最中だった。

「…………」
「本当に、申し訳ございませんでした……」

 無視した宵に、晃は今回は本当に、心の底から反省しているようなトーンでそう謝った。
 宵はソファーに座ったまま、晃に冷たい視線を向ける。
 今回の晃の行動は、いくらなんでも身勝手すぎる気がするのだ。
 宵から風呂に誘っても拒否してきたくせに、覗きに行ったら晃は自慰をしているし、それに気付いた宵を無理矢理中に引き込み襲ってきた。
 おかげで服はびしょ濡れ、体液まみれだ。数分前にシャワーを浴びて着替えたばかりなのに、三十分も着ずに全て洗濯行きだった。
 おまけに首や鎖骨には幾つものキスマーク、両手首もきつく掴まれた痕が残っていて、目立つ。
 宵はもう、何に対して重点的にキレたらいいかわからなかった。

「……おまえ、勝手すぎ。すげー強引だし」

 そこはいつもと変わらない気もするが。

「ーーつか、一人でする方が好きなんじゃねーの? なんであんな……」

 浴室での淫らな行為を思い出すと、羞恥で言葉が途切れる。
 一人でする方が好きなのだとしたら、なぜ自分は襲われたのか。自慰を手伝わされただけか。
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