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Memory of Night 2
第48章 蜜月

正直なところ、勢いで口走ってしまったものの晃本人に「うん」と言われたらかなり凹む気はしたが、もう撤回するにしても遅い。
自分とのセックスより自慰の方が好きだから、宵の誘いを断り浴室でこっそりやっていたのではないのか。それなのに、自分を見つけた瞬間それを手伝わせようとしてくるなんて、最低だと思う。
怒りというよりも、そんな扱いがショックだった。
「……え? 何を?」
だが、とうの本人はあっけらかんとした顔で首をかしげている。
「……は? 何って、さっき風呂でしてたことだよ。俺とセックスするより、一人でやる方がいいんだろ? だったらーー」
最後まで言わせてはもらえなかった。晃はかぶせるように否定してくる。
「待って、なんでそうなるの? 宵とする方が何百倍もいいに決まってるだろ?」
「嘘ばっか。……全然誘ってこなかったじゃん」
語尾がつい小さくなる。まるで誘われるのを待っていたような言い方になってしまった。
「大きな怪我してたし、無理させて痛い思いをさせたくなかったんだよ。でも大丈夫そうだったからーー今日誘うつもりだったんだけど」
ドライヤーを置き後ろから抱きしめられる。耳元で響いていた風の音がやみ、晃の声がダイレクトに鼓膜を刺激してくる。

