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Memory of Night 2
第49章 エピローグ

そんな宵の隣で、晃は小声でこんな願いごとを口にする。
「宵とずーっとラブラブでいられますように」
「……なんかキッモ。やめろ、その女子高生みたいな願いごとを口に出すの!」
「照れなくても」
「……いや、どっちかっつーと引いてんだよ」
晃は爆笑していた。
石段を降りる。ブラブラと桜の木の下を歩いた。
「ーー本気でやろうかな。宵と同じとこでバイト」
「…………え?」
唐突に晃が言った。
あれはつい数日前のことだった。
宵は数ヶ月ぶりに、バイト先だったハプニングバー『ローズ』に顔を出したのだった。
洞穴での事故で入院し、そのまま辞める形になってしまった。
助けてくれた土方達にも、心配してくれたバイト先の人達にも、きちんと挨拶できていなかった。本当はもっと早くそうするべきだったとは思うが、リハビリや受験や卒業式などでバタバタし、宵が落ち着いてからは千鶴がオープンするバーの準備で忙しくなってしまい、結局新年度が始まる直前になってしまったのだった。
ちなみに千鶴が任される店は、今年の五月にオープン予定だそうだ。
晃も連れてこい、と言われ二人でローズに行くと、懐かしい面々が揃っていた。土方に丁重に礼をし、挨拶代わりになりつつある緊縛の誘いはもちろん断り、常連客やスタッフ達にも挨拶をしてきて、そこまではよかったのだが。

