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訪問 パティシエSana
第17章 新店のお披露目
念入りに支度したSanaはすっかりパテェシエの制服に着替えていた。淡いピンク縞のロングドレスに白の胸当てエプロンを締めてキャスケット帽のようなドレスと同じ柄のパテェシエ帽を被っていた。田舎風オールドファッションであったが靴は従来の厨房靴であったがピンク色であった。一見するとコスプレに近い感じではあったがMinaと細かく打ち合わせの結果で新店のコンセプトを反映していたのであった。その恰好のまま表に出ると道行く人々が驚いたように立ち止まり決まってニヤニヤとして前を通り過ぎていった。早朝に出勤する人々はいずれも速足であったが、その中にはわざわざ振り返って視る男達もいたのであった。彼らはコスプレのガールズバーのファンかもしれないがSanaの姿が如何にも板についていたからであった。店のコスプレでそのまま帰って来たと勘違いをしたのかもしれないほどに似合っていた。
車を回して来たRinこと林社長もまた、目を見開いて驚いた。
「凄い、恰好だねー。初めて見て驚いたよ」と助手席に乗ってきたSanaに林が言った。
「専務さんとお揃いです」とSana。
「え、三奈子も着るのか。えー」と驚く林。
「あら、ご存じなかったのですか。まあ、仮縫いのときに顔を赤らめてしきりに恥ずかしいって云ってらしたからね。黙っていたようですね」と言った後に改まってSanaは、
「ところで、お願いがございますが社長様」と丁寧に言った。
「何だい。改まって」
「この制服、また新調しなくてはなりませんので宜しくお願いします社長様」
「えー、お気に召さないのかね。いいと思うけどね」
「そうではございませんのよ。マタニティ用が必要なのです、二人分」
「えー、そうなんだなー。予算ナイナー。予算」と運転しながら前を向いて林は言ったのであった。
「まー、そこを曲げてお願いいたしたく存じます。パパ社長様」と甘え、
「後三か月すると駄目ねー、たぶん」と頻りに気にするSanaであった。
車を回して来たRinこと林社長もまた、目を見開いて驚いた。
「凄い、恰好だねー。初めて見て驚いたよ」と助手席に乗ってきたSanaに林が言った。
「専務さんとお揃いです」とSana。
「え、三奈子も着るのか。えー」と驚く林。
「あら、ご存じなかったのですか。まあ、仮縫いのときに顔を赤らめてしきりに恥ずかしいって云ってらしたからね。黙っていたようですね」と言った後に改まってSanaは、
「ところで、お願いがございますが社長様」と丁寧に言った。
「何だい。改まって」
「この制服、また新調しなくてはなりませんので宜しくお願いします社長様」
「えー、お気に召さないのかね。いいと思うけどね」
「そうではございませんのよ。マタニティ用が必要なのです、二人分」
「えー、そうなんだなー。予算ナイナー。予算」と運転しながら前を向いて林は言ったのであった。
「まー、そこを曲げてお願いいたしたく存じます。パパ社長様」と甘え、
「後三か月すると駄目ねー、たぶん」と頻りに気にするSanaであった。