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訪問 パティシエSana
第10章 パートナー林
 Sanaは窓際の席に林と並んで座って、お酒を飲んでいた。飲めないのにお酒をたのんだ。カルーアミルクを舐めるように唇につけて、
「お聞きしたいのですが、林社長のおしゃっているパートナー契約とは具体的にどのようなものですか」
「その名の通りで、会社とその従業員の上下関係ではないものでね。会社の中に別に事業体を構成して、心ある従業員と対等の関係を構築するものです。契約した社員は独立した事業体を個々に持って貰い業務遂行の自由裁量権を大幅に与えるものです。当然、成果があれば配分もある。成果が上がらないならば契約は白紙になって一般の社員となる。新規に店舗展開していくと管理者ばかり増えて重くなる。言わばブドウの房をイメージしてください。一粒が独立しているが一本の房にしっかり繋がっている。だから契約した人の名前を店名にいれて独自色を大いに出して行きたい。バラバラに勝手にやっているようだが、人、金,物、ノウハウは全て繋がっているという事です」と林は饒舌に捲し立てた。
「ところで、Sanaさんの第三の希望のパートナーと同じようなものと何ですか。Sanaさんのお考えをお聞きしたのですが」と水割りを一口飲んでSanaの方に顔を向けて言った。
「文字通りのパートナーで、相棒、組になった相手、夫婦、だからそのまま男女の関係も含んでいます」と林の耳元ではっきり言った。
「え、それは・・・」と林は絶句した。
「不倫ではありませんよ。恋人でも夫婦でもありませんから、愛はしいて必要ありません」と更に林の耳元で言った。若い女の甘い息が耳を撫でた。
すーと軽く息を吸って、
「仲良しで、ライバル。互いを認めあうこと、目的が同じであること。だからパートナー」とSanaはつぶやいて、カクテルグラスに口をつけた。

 林の頭の中を「だからパートナー」が駆け巡り、「男女の関係も含む」で固まった。

「Sanaのこと、頂いてください。パートナー林さん」とSanaは嫣然と笑った。
 それで意を決した林は、
「少し離席しますので待っていてください」と言って立ち上がった。

 歩きながら、「驚いたものだ、逆に脅されているようなものだ。あんな小娘に、世間知らずの小娘に言われたものよ。しっかりせえよ、俺としたことが、泡を喰う必要はないさ」とブツブツ言いながらフロントに降りていった。

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