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Eat me 完熟媚肉と秘蜜のレシピ
第2章 2皿目
「栞。料理、勉強しようか」
「ひっ!!」
洲の手がこちらに向かってくる。酷いことをされる…そう思って悲鳴を挙げては眼を強く瞑り、痛みに備える。
が、しばらくしても何も起きる気配がない。
おそるおそる眼を開けると、そこには先程の雰囲気を軽く崩壊させる力を秘める黄金色をした小さな宝玉が、洲の手のひらの上で『私を食べて』と訴えかけるように美味しそうに佇んでいる。
「えっ…と…なに、これ?」
「何って、胡麻団子だよ」
「ごま…だんご?」
「まさかこれも知らないの? いつも持ち帰ってくるくせに」
本日何度目か分からない『知らないの』に、場違いにも私はムッとしてしまう。洲も瀨尾君も皆私を馬鹿にして…胡麻団子くらい私だっていくらなんでも知っている。というかいつも余り物だからと言われて、飽きる程大量に押し付けられる度に洲も一緒に消化してるくせに、知らないわけがない。その夫のわざとらしい態度に一番腹が立つ。
「それが何? それがどうかしたの?」
「なにちょっとふてくされてるの? これ、いつもあるよね。さすがに飽きちゃったからさ。今日はちょっとアレンジしようかなって思ってるんだよ」
今? それもこんな時に?
さっきまであんなことやこんなことしといていきなり料理って、前から変な人だと思っていたけどとうとう頭がおかしくなったのだろうか。
「えっと…お腹、空いたの?」
「…あぁ、そうだね。もう今朝から食べてなくてさ。ペコペコで今にも倒れそうだよ…」
そうぼやきながら洲は思い出したかのようにお腹を擦り始める。今朝から食べてないってそんなに仕事忙しかったのだろうか。それなら肉まんも買ってきたんだし、私を待たずに先に食べてていいのに…覗きなんかしないで。
「ひっ!!」
洲の手がこちらに向かってくる。酷いことをされる…そう思って悲鳴を挙げては眼を強く瞑り、痛みに備える。
が、しばらくしても何も起きる気配がない。
おそるおそる眼を開けると、そこには先程の雰囲気を軽く崩壊させる力を秘める黄金色をした小さな宝玉が、洲の手のひらの上で『私を食べて』と訴えかけるように美味しそうに佇んでいる。
「えっ…と…なに、これ?」
「何って、胡麻団子だよ」
「ごま…だんご?」
「まさかこれも知らないの? いつも持ち帰ってくるくせに」
本日何度目か分からない『知らないの』に、場違いにも私はムッとしてしまう。洲も瀨尾君も皆私を馬鹿にして…胡麻団子くらい私だっていくらなんでも知っている。というかいつも余り物だからと言われて、飽きる程大量に押し付けられる度に洲も一緒に消化してるくせに、知らないわけがない。その夫のわざとらしい態度に一番腹が立つ。
「それが何? それがどうかしたの?」
「なにちょっとふてくされてるの? これ、いつもあるよね。さすがに飽きちゃったからさ。今日はちょっとアレンジしようかなって思ってるんだよ」
今? それもこんな時に?
さっきまであんなことやこんなことしといていきなり料理って、前から変な人だと思っていたけどとうとう頭がおかしくなったのだろうか。
「えっと…お腹、空いたの?」
「…あぁ、そうだね。もう今朝から食べてなくてさ。ペコペコで今にも倒れそうだよ…」
そうぼやきながら洲は思い出したかのようにお腹を擦り始める。今朝から食べてないってそんなに仕事忙しかったのだろうか。それなら肉まんも買ってきたんだし、私を待たずに先に食べてていいのに…覗きなんかしないで。