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Kiss Again
第6章 暗い力

 ”かい”という男の 彫りの深いイケメン画像が 目に浮かぶ。

 身体の血液が逆流するような怒りが湧いてくる。
  キッチンに行き スプーンを流しに投げつけると はねかえって 床に落ちた。
 「何なんだよ 何なんだよ それっ」 心が 呻く。

  荒くなった呼吸を 流しの縁につかまり 整えた。

 愛美は こどものように手で目をこすりながら 泣きじゃくっている。

  昨日 バスルームでみた 暗い目を思い出す。


 おれの勤めている会社でも 以前 経理で不祥事があったと 聞いたことがある。

  水商売の女に入れあげた男は 会社のお金に手をつけた。
 初めは小額だった。 そのお金を返済するために 公的ギャンブルに走った。 そんなことはうまくいくはずがなく 盗んだお金は 雪だるま式に増えていった。 お決まりのパターンだ。 監査を前に 2千万円以上になった着服金に 男は押し潰された。
 ある日、仕事から帰った妻は バルコニーにぶら下がっている夫を見つけた。

  ぶら下がった男の足は 床から ほんの5センチほど 離れていただけだった。

  ほんの5センチ。

  愛美は その5センチのところにいるのだろうか。

 たかが 車のタイヤのために。


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