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Kiss Again
第10章 スターダストにて
 『スターダスト』を出てみたものの どこに行こう、とか あてがなかった。 おれは 愛美から逃げ出したかっただけなんだけど。

 歩きながら話すには 寒すぎる。

「ホテルに行く?」
 夏見が 笑いながら提案した。

 デジャブかよっ。

 2ヶ月半前に 緑色の髪をした愛美が同じことを言った。

 心が ゆれた。
 夏見と 一晩過ごすのも 悪くないような気がした。

 「非常に 魅力的なお誘いだけど」
 夏見の笑い顔が 少しづつ 消えつつある。
 「やめとく」

 「もし 周人がOKしてたら 嫌いになれたのに」

 「えっ? なんかのテストだった?」
 「あはっ。 そーじゃないけど」
 「じゃあ なに?」

 「周人 彼女 できた?」

 ん?
 愛美は 彼女じゃあないし。
 「いや」



 「わたしたち やりなおせる?」

 歩きながら話すには 寒すぎるんだけど・・・

 人肌 恋しい。



 ケンカして
 仲直りの 荒々しいセックスをして
 むなしくなって


 それを やりなおす?

 夏見は キレイだし いい女だけど


 「できれば ともだちとして やりなおそうか」

 「・・・そう言ってくれると たすかる」


 あんまり寒いから 適当に見つけた次の店に入って ふたりして酒飲んで。
 お互いに 何が好きで 何が苦手か 知り尽くしていたから 話が弾んで。 
 夏見は 以前より饒舌になっていた。


 気がついたら ホテルにいて
 抱き合っていた。





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