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第2章 お持ち帰り

　中学校から　女の子と付き合うことに不自由したことはなかった。一般的な青春時代は　ずっと恋愛していた、みたいなかんじで　それなり楽しく過ごしてきた。

　どんな人にも　人生に　”モテ期”みたいなものがあるらしい。
　おれの場合は　就職して２年目に　それが訪れた。
　社会人一年生のときは　何もかもに順応していくことに必死で　恋愛どころではなかったが　２年目になり　後輩ができると　何かしらの余裕ができたのか　新入社員に頼られ　それに応えると　誰彼から好意を寄せられた。特にイケメンでもなく　ブオトコでもないおれのどこがいいのか　自分では自覚がなかった。

　岩田から　好意を打ち明けられ　「ごめんなさい」と言い続けていた仲村愛美の気持ちが　痛いほどわかる。
　傷つけたくないのに　傷つけてしまうことの連続だった。それで　仕事に支障がでないようにするのが精一杯の日々。

　恋愛アレルギーといえる。
　女子社員に冷たい男と呼ばれるようにまでなった。
　その方が楽でいい、と今は思っている。

　好きな人ができたら　その人だけに優しい男になればいい。