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不誠実なカラダ
第4章 愛されたい それよりも
「来なければ、よかった。」

私の口から出たのは、後悔の念だった。

「さっさとする事して、はい、さよならって、どうしていつもと同じようにしなかったんですか?」

部長は、まだ黙ったままだった。

「こんなところに連れて来られたら、期待してしまいます。」

「何を期待するんだ?」

やっと口を開いてくれたのに、その答えには困った。

言えば、バカな女だと思われる。

「言ってくれ。」

「嫌です。」

「言って欲しいんだ。」

私はそっと、部長を見つめた。

「……バカな女だと思いませんか?」

「思わないよ。」

息をゴクンと飲みこんだ。

「……まるで、恋人みたいだと思いました。」

「それで?」

「部長と……そんな風になりたいって……」

愚かな女。

部長はそんな事望んでいないのに。


その内、頼んだメニューが出てきて、この話は終わってしまった。

たぶん、これが最後の情事になるだろうと、私は予感した。

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