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トパーズ
第7章 イベントシーズンは受験シーズンの始まり!
「斎藤さん…
名前で呼んでも良いかな?」

「勿論!」

「麻衣子さん、いつか、僕の話を聞いて欲しいな」

「呼び捨てじゃないのね?
じゃあ、私も、岳人さんって呼ぼうかな?
話ならいつでも聞くよ?
今でも良いよ?」

「話始めると、長くなるし。
上手く話す自信もないから、
いつかで良いよ。
今日は、こうやって、
手を握ったまま、寝ても良いかな?
それなら、黒田先生にぶっ殺されないよね?」と笑う。

「やだ。
岳人さんも冗談言って笑うのね?」

「冗談じゃないよ。
麻衣子さんに何かしたら、
本当にぶっ殺されると思うよ?」

「何かって…
何もしないでしょ?
だって、岳人さん、別に私のことなんて好きじゃ…」

私の言葉を、唇で遮られてしまって、
私はビックリして、目を閉じることも出来なかった。


「えっ?」

見つめ合う瞳は、
確かに蜂蜜のように薄く青味がかっていて、
唇は厚みがあって弾力があった。

「好きだよ。
1年の時、放送室で見掛けた時からずっと。
ホントはそれより前から。
でも、僕には麻衣子さんと付き合う資格はないし、
黒田先生には敵わないと思ってる。
でも、好きだってことは、
言いたかったから」


「資格?」

「…うん。資格」


山田くんの肩を少し押して、
顔を覗き込んで思わず訊いてしまう。
「付き合うのに、資格が要るの?」


「んー。
話をしないと説明出来ないけど、
端的に言うと資格がない」

「私が黒田先生のことが好きだから?」

「違うよ。
僕の問題」


「なに、それ?
全然判んない。
岳人さん、実は年齢、サバを読んでて18歳超えてて、
結婚してるから資格がないとか?」

「歳は同じだよ。
面白いこと考えるんだね」


「男に見えるけど、
実は戸籍の上では女子とか?
いや、別に同性同士でも恋愛は出来るか」

「えっ?
麻衣子さんって、女子とも付き合えるの?」


「ううん。
今のところは、男子だけだよ。
将来的には判らないけど。
人として尊敬出来て好きになるなら、
性別とか国籍とか年齢とか、関係ないと思うけど?」

「オトナだな」


「あ!
判った!!
実はエイリアンで、
地球人と交わってはいけないとか?」

「なんで、いきなり、
そんなコドモみたいな発想するわけ?」


心地良い穏やかな声を聴いていたら、
急速に眠くなってきた。


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