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そぶりをやめて
第13章 遡ること140日前
3年前、結婚式1ヶ月前に別れた麻奈美とは、今の支店とは違う、そこそこ大きな都会の支店に居た時に出会った。
確か、誰かの紹介だったか。コンパだったか。

背がかなり小柄で、少しぽちゃっとした、可愛い系。
大人しそうに見えて、実は自己主張のハッキリした人だった。

当時は、そこのギャップが可愛いと思った。

途中、佳佑の転勤があって、遠距離ほどではない中距離になったのもあったが、それでもずるずる3年近く付き合って。
佳佑が30歳、麻奈美28歳の時に、自然と結婚の流れに。

麻奈美がどうしても挙げたい結婚式場が、なかなかいい日程が空いてなくて。
1年近く先に結婚式と入籍をすることになったものの、半同棲を始めたりと、順調に付き合っていた。

と、佳佑は思っていた。

それが、結婚式1ヶ月前に婚約破棄となる。

麻奈美が一方的に言い出したことで。
佳佑には、寝耳に水だった。

理由を問い正すと。
なにやらもっともらしい事を並べ立てて来た。

佳佑の実家がある田舎が嫌だ。
それなのに、ゆくゆく敷地内同居とかありえない。
転勤多いのも嫌だ。
今のまま、実家がある街に住みたい。
高層マンションがいい。

そうは、言われても。
佳佑が勤める地元の地方銀行は、若い時は本店より遠い各地の支店勤務が多いが。
落ち着いた年令になると、地元に戻る事が多い。
地元に戻ったとしても、通える範囲での県内転勤はあるだろうし。
持ち家を建てるまでは、会社支給の住宅に住むことになるので、マンションか木造のコーポか。はたまた一戸建てかは分からない。
それらの事は、付き合った当初から言っていた事だし。
何を今更言い出すのか、不思議でならない。

折り合いをつけようと佳佑は努力したが、麻奈美の意思は固かった。

婚約破棄の慰謝料は払わないが、式場などのキャンセル料は払うからとまで言い出して。
そこまで言うならと、しぶしぶ婚約を解消し、結婚を白紙にした。


しばらく、放心状態で。

かなりひこずった。


しかも、半年も経たないうちに、麻奈美が“授かり”結婚したとウワサで知った。
相手は売れないバンドマンらしく、当然ながら親に反対され、駆け落ちしてどこか別の県へ行ったとか。

余計にショックを受けた佳佑は、女性不信、そして結婚不信になった。


あれから、3年、いや、4年近く経つ。
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