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そぶりをやめて
第21章 288日
男性陣のほとんどは、苦笑いしてるか。スルーしてる。

1人、数ヶ月前に子どもが生まれたばかりの岩ちゃんが吠えてる。

「いや、妊娠中もそうだけど、子育て中の奥さん、マジやばいって。めっちゃピリピリしてるしさぁ。今まさに俺がそれで...」
奥さんがああなったらヨソに目が行くのも当然みたいな話をしかけたもんだから、女性陣から非難轟々だ。


もう一度、佳佑を見る。


考えたこと無かったけど。

お互いの事が好き同士で結婚した訳ではないし。

実は他に好きな人が居て、その人と何かしらの結婚できない理由があったりして。 それで、汐里と便宜上結婚した。
と言われても、別に不思議ではない。
...ドラマの見すぎかもだけど。

佳佑は『夫婦』という“肩書き”が欲しい、って言ってたし。

子どもを欲しがったのは、汐里だ。

それらがほぼ手に入った今、お互いの『結婚』における目的は達成された訳で。


よそにオンナが居て。
それが、浮気だろうが、本気だろうが。
それをどうこう言える立場でない。

あんなにヤりまくっていたのに、妊娠が判明してからは一切ヤらなくなったわけだし。

だから、どこかで誰かとヤってるかも。


「嫌だなぁ...」

ちょっと想像しただけで、胃のあたりがきゅうっとなって。

思わずわずかに零れた言葉に、自分でも少し驚いた。


「え、ちょ。何泣いてんの?」

視線に気付いた佳佑が、こちらを見てぎょっとしてる。

涙?出てる??

目尻を拭うと、少し涙が指先についた。

「別に。泣いてないし」

自分でも驚いて、平静を保ちつつ慌てて否定する。

「ホルモンよ。妊娠で、ホルモンがおかしいの!」

立ち上がり、ティッシュを探す。


佳佑がティッシュを取り出して、渡して椅子へと座り直すよう誘導してくる。

何でこうなってるのか、おかしくなってくる。

泣いたり怒ったり出来る立場でないのに。


ティッシュで目頭を抑えて、顔を伏せる。
ぐるぐる変わってゆく感情をコントロール出来なくて、どんな顔していいかわからなくなってしまった。

横からそっと頭を撫でられる。
ヨシヨシって、犬にするみたいに。

「大丈夫?横になったほうがいい??」


やたらと優しい佳佑にもイラっとする。

ぜったいホルモンのせい〜!!
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