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蒼い月光
第13章 決戦!

そのとき、お頭がさっと右手を上げた。

『へへへ…茂みに弓の名手が隠れているのさ…
これでお前も終わりさ…』

茂みから弓矢が飛んでくるはずだった・・・
だが一向に矢は放たれない・・

『ん?どうした?』

もう一度、右手を天に向かって突き上げた。

次の瞬間、枝葉をザザザっと鳴らして
黒い影が姿を現した。


「残念だが弓の使い手は
あの世に逝っちまったようだぜ」

兵吉が音もなく弓矢の使い手の背後に忍び寄り、
首に手裏剣を突き刺していたのだ。

「兵吉!!」

「千代さま、遅れまして申し訳ござらん」

兵吉は千代を守るように前に立ちはだかり、
懐から手裏剣を取り出すと
目にも止まらぬ速さで投げ込み、
手下どもを一網打尽にした。

残るはお頭ただ1人・・・


「てめえら!許さねえ!!」

お頭は歯ぎしりして悔しがった。

無理もなかった、コツコツと猛者を集めて
徒党を組むまでに築き上げた組織を
一瞬にして崩されてしまったのだから‥‥

「覚悟!!」

短刀を脇に構えて走り出したときに、
草むらから一本の矢が放たれた。

『ちっ!息の根が止まってなかったか!』

兵吉は素早く跳躍し、身を挺して千代を守った

「ぐっ!」

矢は兵吉の右足の太ももに突き刺さった。


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