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蒼い月光
第3章 くのいち ウズメ

里に帰ったウズメたちを待っていたのは
厳しい現実だった。

父母や兄弟からも、村八分の娘と血縁だと
同じように村八分にされてしまうので
やむなく離縁された。

父母は不便な娘のために
村はずれに小さな小屋を建て
「ここで、ひっそりと暮らしていきなさい。
今日を持って我らとは
親でもなければ子でもない」
と言い捨てて去ってしまった。

ウズメが連れ帰った子は
「朱里(あかり)」と名づけられた。

2人が暮らしてゆく糧は
忍者修行中に身に着けた
「わらじ作り」であった。

わらじを作っては山を越え
何里も離れた村に行き、
わらじを米や味噌や野菜に変えて
生計をたてた。


決して裕福ではないけれど
ウズメは朱里と共に生活をしてゆくのが
楽しくてたまらなかった。

ただ、男を知った己の体が
夜な夜な疼くのには閉口した。


山で小枝を拾ってきて、
錆付いた手裏剣で削って
『へのこ』に見立てたコケシを作り
寂しい体を慰めた。

ある日、玄関に
茄子や大根、蜜柑などが置かれていた。

村の誰かが毒を盛りにきたのかと怪しんだが、
空腹に勝てずにそれらを口にした。

だが、不安は一蹴された。
食物には毒など混入していなかった。

それらは3日に一度であったものが、
2日に一度となり、
やがて毎朝起きてみると
小屋の前に置かれているようになった。

重湯だけで成長が遅れていた朱里も
それらのおかげですくすくと成長しはじめた。


『いったい誰が…』

捨てる神あれば拾う神ありなのだと、
毎朝届く食材に手を合わせて
おいしくいただく二人であった。



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