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蒼い月光
第11章 三つ巴の交わり

「千代さま、ほんとに
宜しかったのでございましょうか?」

翌朝、千代の身の回りの世話をしながら
八重が伺いを立てた。

「八重、殿の精の強さは
昨晩に身を持って感じたであろう?
あれでは私一人で身が持たぬ‥」

そう言って涼やかに笑った。

八重は心底、千代に惚れた。

昨夜あれから慌てて湯殿に走った。

そして、精液にまみれた陰戸を
何度も湯で洗った。

決して千代より先に
身ごもってはいけないと
強く自分に言い聞かせた。

そして、千代を命にかけても
守り抜こうと決心した。



千代は精力的に城内を散策した。

豪華絢爛な打ち掛けを脱ぎ捨てて
歩き回るものだから
すれ違う女中や家臣の者は皆、
それが嫁いできた姫君とは気付かなかった。

軽口で挨拶を交わす女中がいると、
八重が慌てて飛んできて
「無礼者!口を慎め!
奥方さまにあらせられるぞ!」と
叱りつけて回った。

「八重、私は、皆の者と親しくなりたいのです。
そんなに堅苦しくしては
話ができぬではないですか」

「千代さま、いくらなんでも無茶でございます。
奥方さまとしての威厳をお持ちくださいませ」

そんな八重の言葉など
聞こえていないかのように
城内を縦横無尽に歩き回った。

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