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未亡人下宿~お部屋、貸します~
第4章 もう一人の下宿人、木下くん
「もっとちゃんと見たいなあ~」

太郎くんは独り言を装って
明後日の方向を見ながら
そんなことを呟きました。


「それじゃあ、
大サービスして見せちゃおうかなあ」

私的には母と幼子の
他愛ないスキンシップのような感覚でした。

「見せて!見せて!!」

途端に童顔の可愛い笑顔だった太郎くんの表情がいやらしい笑みに変わりました。

童顔ゆえに私も油断しちゃいましたが、
やはりそこは大学生。

異性には興味があるようです。


「こんなおばさんのおっぱいなんか
見てもつまらないわよ」

太郎くんのいやらしい視線に
少し気後れしちゃって
この話題から逃げようとテーブルを離れました。

「いいじゃん。見せるぐらい。
減るもんでもないしさあ」

私を追いかけて流し台の前までやってくると、
太郎くん、私をいきなり抱きしめたんです。

昼間に不動産仲介業者の彼に
抱きすくめられた事が
鮮明に思い出されました。


「もう!太郎くん、何すんのよ」

拒む台詞を言ってみましたが、
体は嫌がってません。

ムラムラした気分が沸々と湧き上がってきます。

「俺さあ…大家さんみたいな女がタイプなんだよ」

これがロマンスグレーの紳士から囁かれたら
一気に恋に落ちてしまうでしょうが、
ついこの前まで高校生だった坊やに言われてもねえ…


でも、悪い気はしないわ。

何だか今日はモテ期が一気にきちゃったみたい。

多分、あの不動産仲介業者の彼が
「あげちん」だったのかもしれません。
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