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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第16章 Winter has come.
え?とやっと私と目を合わせる。

「私もちょっといろいろ急いでしなくちゃ

 いけない事が出てきちゃったし。

 私が忙しい間、サオリ一人この部屋で

 点滴しながら大人しくしてらんないでしょ?」

え~。と不満そうな声を出す。

「あさって、そんな調子で桜井に会える?」

ブンブンと首を振る。ガキの振る舞いねぇ。

「プロットから作品に起こし始めてんでしょ。

 ノートパソコン持ってってやればいいし。」

うん、と頷く。

「こないだのお店のチョコ美味しかったじゃない?

 生理中チョコ食べたくなるでしょ。あれ、買ってってあげるから。」

「ホント?」

あきれる。ホントにベイベちゃんだわ。





生地メーカーの打ち合わせで少し長引いた。

レイたちとのアポ時間とっくに過ぎているので

慌てて自分のオフィスに向かう途中。

給湯室から呼び止められた。

百瀬ちゃんだ。

レイからまた差し入れをいただいたそうだ。

俺のコーヒー持ってくるとき、俺にも召し上がりますか?と聞いて来たのだった。

レイから?

「今日はレイだけが来てるの?」

「ええ、一条様はどうしても外せない急ぎの別件が出来たしまったとかで。」

どうしたんだろう。

「仮縫いまで出来てたのを、一条様に合わせるの楽しみにしていたんですけど…。」

そうだよね、百瀬ちゃん毎日朝早くから夜遅くまで頑張ってたもんな。

出来も、想像以上によく出来ていた。

俺にはコーヒーだけをお願いねと言い、オフィスに急ぐ。

「お待たせして、申し訳ない。」

とオフィスに入ると

ソファにふんぞり返って座り足を組んでいるレイがひとり。

「別に、いいわよ。たかだか10分くらいじゃない。」

ヨッと言いながら普通に座りなおして

「さ、始めましょ?」と言ってくる。

お?さては、聞いたな?

奥手なあの子はレイに言いたくても言えないだろうなと踏んでたんだが。



エレベーターが着いた時、

そっと肩に手を置いて彼女が自分を見上げた時に。

頬にキスして。

耳元で『好きだよ、沙織ちゃん。 またね、おやすみ。』と囁き

エレベーターの中に優しく誘導して。

ドアが閉まるまで、

真っ赤な顔してる沙織ちゃんを、優しく微笑みながら見送ってやったさ。


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