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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第16章 Winter has come.
年間生産量を聞くと、

見たままの通りの『はごろも』という名のこの製品はごく僅かだ。

原材料の木の数の事もあるが、この土地のこの気候があってこその製品で。

この地域ではこの製品をつくる光景を“冬がやって来た”と言われるのだそうだ。

凍えるような冷たい湧き水に幾日もさらされ。

幾日もの寒気にさらされて出来上がるものだからだ。

「そんな貴重なものを。なぜウチに真っ先に持ってきて下さったのですか。」

お茶を運んできてくれた山際社長のお母様が

「神様が私の夢の中で、そうなさいと仰られたからですよ。」

と言いながらお茶を俺に勧める。

「母はこの山に祀られている神社の巫女でございまして。」

道を示す神、猿田毘古大神を祀る数多ある神社のうちの一つなのだそうだ。


独占契約を済ませ、

急ぎ分の数量と納期のすり合わせを終えたころは

もう辺りは真っ暗だった。

そして、タクシーも来ないというこの地での

駅までのバスの最終便もとっくに出ていた。

辺りは旅館やホテルなどはないという。

スマホの電波もこのご時世でありながらの、まさかの圏外。

明日息子がお送りしますので、

今夜はわが家へどうぞと山際社長のお母様に誘われ。

眠ると彼女の夢を見てしまうから怖かったのだが。

その夜は。なぜかとても健やかな眠りを得られた。


翌朝。山際社長のお母様に誘われるがまま、

一緒に山の中の神社にお参りをした。

「貴方のこれからの道に、幸多からんことを。」

山際社長に車で送っていただく時、お母様からそう言って頂いてこの地を後にした。
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