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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第21章 Shaking feelings
大臣がいた席に戻った頃には、もう大臣もマチ子ママもいなかった。

代りに桜井がいた。

桜井はロックのグラスをゆっくり傾けていた。

「あ、社長。大臣が例の件、よろしくとおっしゃてましたよ。」

俺に気付くと、ロックのグラスを乾杯というように上げて見せる。

ああ、難色を示していたところは、このステージで解消されたって訳か。

「ま、社長、折角です。大臣も快諾されましたし一杯やりませんか?」

意味深な目で俺を見、酒に誘う。

「ああ、一杯もらおうか。」

グラスにお酒を作ろうとするスタッフを止め、席を外すように頼んだようだ。

どうぞ、とロックグラスを手渡す桜井。

「世界進出、ですか。」

「…………ああ。」

やっぱり、そうだったか。

最近やたらとアメリカへのサンプルの荷が増えたと思った。

「どの部分です?」

「ジュエリーだ。」

なるほど日本製は人気出やすい。

「まだ試験段階だがな。……一度現場にも近々行かねばならない。」

「社長。」

「甘くないことは分かっている。だから試験段階だと。」

いや、そこじゃない。

俺が言いたいのは、なぜ今なんだ。

近々あちらに行くっていつだよ。

「スケジュール調整して年内には一度行こうと思ってる。」

そんな。すぐじゃねぇか。

「今、現段階で人気シリーズで感触をつかんだら一ノ瀬のアレ。」

え?夕凪モデルがある、あれ。

ああ、もう面倒だ。

あらかた計画に目鼻がついて行けそうな段階だからお前には話しておく。

と前置きして、社長はウイスキーをあおってから一気に説明し始めた。

映画はまず間違いなく大ヒットとなるだろう。アメリカでも、流行る。

日本で大ヒット待ってのアメリカへか。同時上映になるかはまだわからないが。

そちらの進出ももうほぼ決定だ。根回しは終わってる。

作中で外国とのハーフの男性が花魁に贈るブレスレット。

あれ、一ノ瀬ので行く。原作では『小さな花』だった。異国の花だと。よくないか?

衣装と小物担当者と監督に現物見せたら大喜びだった。イメージ通りだと。

桜井、今回何もかもが上手くいく。上手くいかせてみせる。

そのために政治家のバックアップも必要になって来る。

あの大臣は比較的金には汚くない。功績と名誉の方を大事になさる方だ。

松平梅乃と親交もある。




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