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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第21章 Shaking feelings
そうだな。素晴らしいお膳立てだとは、思う。

「俺が出来ることは、こんな事だけだ。」

そう呟き自嘲気味に笑う。

「いや、普通ここまで出来ないんですよ?社長。」

「己の欲望のままに、彼女に乞われるまま彼女の手を取ることは簡単だ。

 だが、それ以外でも彼女への愛情表現はいくらでも出来る。違うか?」

本音が出だしたな。

「俺は俺のやり方で彼女への愛情表現をする。それしか、出来ないんだ。」

「社長、確かにそれも間違ってはいません。

 ですが、まずは手を取るところから始めないと……。」「始める気は、ない。」

俺の目を見据えはっきり言いきった。

「どうして……。」

「愛だの恋だのに溺れるのは簡単だ。」

「溺れればいいじゃないですか!

 朝比奈さんなら一緒に上手く泳ぎ切ります!溺れはしません。」

「買いかぶり過ぎだ、桜井。それに彼女を傷つけ泣かせてしまうだけだ。」

はぁ?泣いてこその恋愛だろうがよ。

「いずれ、傷つけ手放さなければならなくなるならば、

 最初から手を取らなければいい。」

ああ、この人は長い間そういう割り切った付き合いしかしてこなかったから、

そういう考えになっているのか。それとも。

「彼女を傷つける、じゃなくって、社長。

 あなたが傷つくのが怖いだけなんじゃないんです?」

銀縁眼鏡の下の目が顰められ、眉間に深い皺が寄る。

「ああ、そうかも、知れない。」

ロックグラスをテーブルに置き、頭を抱え込む。

「毎夜、夢に出てくる。」絞り出すような声でそう言う。

重症だな。

「ただの腑抜けた男になり、彼女を傷つけ泣かせ。

 ……大人であるべきの俺がそんなことしていい訳がないだろう。

 同年代の男と恋を始める方がいい。

 彼女くらいの娘がいてもいい年齢の男が

 たやすく手折っていいもんじゃない。」
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