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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第22章 coming to America
翌日。

名残惜しいけれども、再会を誓い合いルーカス教授宅を後にした。

帰りの車の中で、お兄ちゃんが呟く。

「レイ、大事な人が出来たんだな。」

そう言うお兄ちゃんがなんだかちょっと寂しそうだった。

「寂しい?」

そりゃね。と笑う。

なんかさ、兄弟が他人に取られちまう気分っていうの?そんな感じ。

それ考えたらさ、お前ン時って俺、どうなんだろって。

「そんなこと、当分ないから安心して?」

と笑って見せる。

「当分って。それも兄としては年頃の妹に対して心配なことで……。」

と頭を振り、やれやれとため息をつく。

「な、ホントは彼氏の1人や2人」「いません!」

情けねぇ。お前ホントに俺の妹か?とさっきとはチグハグなことを言いだす。

もう、お兄ちゃん。本当に当分そんなこと、ないよ。

「それよりさ、お兄ちゃん日本にいるんだからさ。

 ルーカス夫妻より先に雅人さんに会えるんだよ?」

「お、そうだな。どんな人なんだろな。俺よかいい男かな?」

ふふふふ。

今は雅人さんが、お兄ちゃんにちょっと似てるなって私が感じたことは黙っててやろ。

実際、雅人さんと会った時のお兄ちゃんの顔想像しちゃうと、うふふふふ。

「なんだよ、ニヤニヤと気味の悪い!」

とルームミラー越しに私をちょっと睨む。

「あ、お前ちょっと見たんだよな?ど?俺よかいい男?」

「教えな~い!」「なんだよ、いいだろ。教えろよ!」

「会って見てのお楽しみぃ~♪」

チェッなんだよとか言いながら笑う。

「お兄ちゃん、商談午後からなんだよね?」

お兄ちゃんの方の商談が日程ずれて今日になった。

「おお、15時から。

 その後関係者と協力会社とのパーティーだ。ドレス先に取り行くか?」

そうねぇ。その方がいいかも。長引いちゃうとバタバタだものね。

「あちらさんが好きでさ。社交ダンスも出来るパーティーだからな。

 それ用のドレス持って来てんだろ?」

「一応はね。でも多分誰とも踊らないよ?

 通訳の立場で踊ってなんていられないでしょ?」

「お子ちゃまには声かかんないか!」

なんですってぇ!

と運転席を後ろから小突いてやる。

さっきの仕返しだな。全く、お兄ちゃんたら。子どもなんだから。

「ま、壁の花でもやってろ。」ふんだ。

そう、この時までは壁の花でいるつもりだった。

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