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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第22章 coming to America
ひとしきり賛辞の言葉を掛けて下さった方々と言葉を交わした後、

椅子に座って休んでいる私のところにお兄ちゃんが、

ペリエのグラスを持って来てくれた。

「お前、あんなに踊れたんだな。」

言葉はそのままだけど、違う意味を含んでるのを感じる。

答えたくなかったから、もらったペリエをがぶ飲みして。

「久々にあんな踊ったから疲れちゃった。先、帰っていいかな?」

何かを察してくれたみたいで。ほんの少しの沈黙の後。

「俺は立場的にはまだ帰れないから。独りで大丈夫か?」と言ってくれた。

ありがと。お兄ちゃん。

滲んできそうな涙を気付かれないように、そっと立ち上がり会場をあとにした。




会場を出て行く彼女を、話しかけてくれている人たちの間から見かけた。


「すみません、ちょっと失礼します。」

考えるより早く行動にしている自分に驚きながらも、彼女の後を追う。

ロビーを一人歩く彼女を見つけた。

言葉を掛けるよりも先に。

彼女の腕を取り、驚き振り向いた彼女の顔を見たと認識した時には。

もう自分の胸に彼女ををかき抱いていた。


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