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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第23章 Be Still My Beating Heart

『絶対お見合い相手とは、結婚しないから!会うだけだから!』

とお互いそれぞれの両親に宣言し、

両親もそれでもいいから親の顔を立ててくれればそれでいいと、

納得した上でのお見合いだった。

だがな。

お互い一目惚れだったんだ。

はは、改めて口にすると恥ずかしいもんだな。

お互いな、宣言してしまっていた以上引くに引けなくてな。

両親たちも、お互いお返事を濁していたそうなんだ。

葵とは幸運なことに、同じ大学だった。

学部が違ってキャンパスが離れていて、

会うことがなかったから今まで会っていなかったんだが。

見合いの席でな。世間話でお互いを探ったんだ。

同じ大学だと分かった時には狂喜したね。はははははは。


盃に酒を注ぎ。

口に運び昔語りをする父の顔が、今まで見たこともないくらい幸せそうだった。

自分の両親のロマンスを聞くなんて思ってもみなかったが。

今夜は沙織のも目撃しちまったしな。


後で聞くと葵も、私のキャンパスに行こうと思ってくれていたというんだから。

嬉しかったねぇ。

ま、後で各々の両親に結婚したいとお互いを紹介した時の、

あの驚きっぷりも!最高だったさ。


「ちょっと待って。父さん。

 まさか梅乃さんが俺にあんなに見合い写真用意するのは、

 もしかして!」

「ああ、俺と葵のせいでもあるかもしれないな。」と杯を空ける。

「大恋愛の末に結婚したんだぜ、梅乃さんは。

 梅乃さんの時代で、あの家だ。

 当時では度肝抜くような話だった筈だ。」

そう、そうだ!じいさまは華道家元次男だったんだ。

大恋愛の末入り婿になって、

その後長男の代わりに華道家元になったんだもんな。

周りから見たら度肝抜くような話だわな。

「まぁ、梅乃さんは行き過ぎる傾向があるのかもしれないが。

 全てはお前が可愛いがためさ。」

と俺の空になったままの杯に酒を注いでくれる。

「運命の出会いとは、どこにどう転がっているか分からんもんさ。」

………運命、ねぇ。

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