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第27章 Winter songs

天才的な味覚とセンスを持っていて。

なのに店舗を持たずに、受注生産しかしない。

日頃は色んなカカオ農園に入り浸っているという人。

さもなきゃ、牧場で乳牛と牛乳の研究をしているという人。

『沙織、じゃあそのチョコ博で朝比奈氏に贈るチョコ。選んで来なさい。』

はぁあ？なんでそうなる！

『そうだわ！それがいい！！』

『チョコを贈るときに言葉で気持ち伝える、と言う日よ。バレンタインデーって。』

『そうよ！それがいいわ。』『きっと、朝比奈氏も喜ぶぜ？』

『朝比奈氏もいいきっかけが出来るってもんさ。』

『朝比奈氏の連絡先、知らないんでしょう？』

知らない。

ＡＳＡＨＩＮＡの電話番号か、桜井さんか、まりかちゃんだけ。

『そうかぁ。その2人は協力者になりうるの？』

桜井さん……はダメよ。

まりかちゃんは大丈夫だと思う。

『じゃあ、そのまりかさんと密に連絡は取っておくことね。』

ああ、クラクラしちゃう。