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TRUE COLORS  ~PURPLE~
第28章 New Year
ああ、きっと。あの動画。

「で?朝比奈って野郎はどうすんの?」

直球だなぁ。

「チョコレートフェスティバルで俺の注目度下げんだから。

 それなりの事になってもらわねぇとな。」

「ねぇ?結城君。これは私だけの問題ではないじゃない?

 相手あっての話だから、今どうすんのって言われても何とも言えないわよ。」

と精一杯の反論してみたけど。

「馬鹿なの?お前。」

の一言でけんもほろろ。

「お前の愛の告白動画をわざわざ見てやったこの俺様が、

 お前に言ってやってんだからありがたく聞けよ?」

と前置きの後。

とんでもない提案が彼からなされる。

ああ、眩暈がする。

この結城君のお仕事、断るって今から出来ないかしら。

今すぐこの場から逃げ出す方法はないのかしら。

彼が自分の提案を一通り私に話している間中、

私はそんなことばっかり考えていたせいか。

「聞いてんのか。このバカ!」と言う声と

「お待たせいたしました。」というウェイターの声とにびっくりして

「はい!」と大声を上げてしまって、ウェイターに笑われてしまった。


注文したサンドイッチに噛り付きながら、

ニヤニヤする結城君の視線を避けるように

俯き加減でペリエのストローを口に運ぶ。

「お前のさ、“夕凪”の件聞いてたんだ。」

今までの俺様口調から少し優しい口調になったのに気付き、

そっと結城君に視線を戻す。

「俺たち、“children”でいろいろ支え合ってきた仲間じゃん?

 俺の立場で何かお前にしてやれることってないのかって。」

コーヒーをすすり。

サンドイッチもほぼ食べ終え一息ついて。

「はっきり言って。“children”で一緒に過ごした奴らには幸せなって欲しい。

 親兄弟よりも長い時間を共有してきたんだ。」

そう言って、微笑む。

ありがとうって思わずつぶやく。

でも。

そこまでしなくっても、いいと思うんだけどと反論すると。

「お前な、ほんと鈍いのな。」

と笑われる。

ほんと結城君って優しいのか何なのかよくわかんないとこある。




こいつ、俺がここまで言ってても察せない奴だったっけか?

俺の目の前で馬鹿面している沙織が恨めしく思えてくる。
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